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日本のカジノ(IR)とは?大阪IRの場所・開業時期・入場ルールを解説

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「日本にもカジノができる」というニュースを、一度は耳にしたことがあるでしょう。2016年にいわゆる「カジノ法案」が成立して以来、日本のカジノ構想は少しずつ現実に近づいてきました。しかし、「結局いつできるの?」「どこに?」「日本人も入れるの?」「そもそも賭博は禁止のはずでは?」と、疑問を持つ人は多いはずです。

この記事は、日本のカジノ、正確には「IR(統合型リゾート)」について、その仕組みから、場所、開業時期、日本人の利用ルール、施設の中身、そして社会的な議論まで、全体像をまとめた「入口」となる記事です。それぞれのテーマについて、さらに詳しく知りたい場合は、関連する記事へご案内します。日本のIRの「今」を、ここで一通り把握してください。

なお、IRの計画は状況によって変わることがあります。この記事は現時点で公表されている情報をもとにしていますが、最新の正確な情報は、行政や運営事業者の公式発表をご確認ください。

日本のカジノ(IR)とは何か

まず、最も大切な前提から押さえましょう。日本にできる「カジノ」は、カジノ単体の施設ではありません。「IR(統合型リゾート)」という巨大な複合施設の一部として作られます。

IRとは「Integrated Resort」の略で、カジノのほかに、ホテル、国際会議場や展示場(MICE施設)、劇場などのエンターテインメント施設、ショッピングモール、レストランなどが一体となった複合施設のことです。重要なのは、カジノはあくまでIRの一部にすぎないという点です。実際、日本の法律では、カジノ(ゲーミング区域)の床面積は、IR施設全体の床面積の3%以内に制限されています(特定複合観光施設区域整備法)。

つまり、日本のIRは「カジノを作る」のが主目的ではなく、「国際的な観光拠点を作り、その一部にカジノを置く」という構想です。主役はホテルやMICE施設、エンタメであり、カジノはその全体を収益面で支える存在、という位置づけになっています。

(カジノと統合型リゾートの違いについては、「統合型リゾート(IR)とは?」の記事で詳しく解説しています。)

なぜ日本でカジノが解禁されたのか

日本では、賭博は刑法で原則として禁止されています。それなのに、なぜカジノが認められることになったのでしょうか。

その目的は、主に観光振興と経済効果です。海外から多くの観光客を呼び込み、長く滞在してもらうことで、外貨の獲得、地域の雇用創出、税収の増加を狙う、という考え方です。特に、国際会議や展示会(MICE)を開ける大規模施設が日本には不足しており、IRによってそれを整備する狙いもあります。

そして、賭博禁止の例外としてカジノを認めるために、特別な法律が段階的に整備されました。2016年12月に「IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)」、いわゆるカジノ法案が成立。続いて2018年7月に、具体的なルールを定めた「IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)」が成立しました。

この法律にもとづき、カジノを厳格に規制・監督する専門機関として、内閣府の外局である「カジノ管理委員会」が設置されました。日本のカジノは、この委員会による厳しい監視のもとで、法律の定める例外として、初めて合法的に運営されることになります。「自由に作れる」のではなく、「厳格なルールの下で、例外的に認められた」というのが、日本のカジノの基本的な性格です。

日本のIRはどこに・いつできるのか

最も気になる「どこに、いつできるのか」を見ていきましょう。

場所については、現時点で具体的に決定しているのは、**大阪・夢洲(ゆめしま)**の一か所のみです。夢洲は、大阪湾に浮かぶ人工島で、2025年の大阪・関西万博の会場にもなった場所です。かつては長崎県(ハウステンボス)も国に計画を申請していましたが、認定されず、開業の見通しは立っていません。横浜市など、住民の反対などを受けて誘致を撤退した自治体もあります。なお、日本に設置できるIRの数は、当面は最大3か所までと法律で定められており、将来的に見直される可能性があります。

開業時期について、大阪府と大阪市は、国に届け出た計画の中で、開業時期を当初の「2029年秋〜冬ごろ」から「2030年秋ごろ」に変更しています。建設工事は2025年4月に着工しており、現在はこの2030年秋ごろの開業を目指して整備が進められています(運営事業者は、当初の大阪IR株式会社から、2025年5月に「MGM大阪株式会社」へ社名変更しています)。

ただし、開業時期はこれまでにも、当初の2020年代半ばから、たびたび延期されてきた経緯があります。新型コロナウイルスの影響や、夢洲の地盤対策などが背景にあります。今後も状況によって変わる可能性があるため、最新の開業時期は、大阪府・市や運営事業者の公式発表で確認することをおすすめします。

日本人はどう利用できるのか(入場ルール)

「日本人もカジノに入れるのか」は、多くの人が気にする点です。結論から言うと、日本人も入場できます。韓国のように自国民の入場をほぼ禁止している国とは異なり、日本人も利用可能です。

ただし、ギャンブル依存症対策として、日本人および国内に居住する外国人には、独自のルールが設けられています。これらはすべて、IR整備法で定められた法律上のルールです。

ひとつは、入場料です。日本人と国内居住の外国人は、カジノ施設への入場時に6,000円の入場料がかかります(IR整備法第176条)。この入場料は入場から24時間有効で、超えると再度かかります。

もうひとつは、入場回数の制限です。連続する7日間で3回まで、連続する28日間で10回まで、と定められています(同第69条)。常習的にカジノに通えないようにするための制限です。

そして、これらを確実に管理するため、本人確認が義務付けられています。日本人と国内居住の外国人はマイナンバーカード等による公的個人認証、国外に居住する外国人はパスポート等で確認されます(同第70条)。

なお、これらの入場料と回数制限は、日本人と国内居住の外国人に課されるもので、海外から訪れる外国人旅行者は、入場料・回数制限の対象外です。これは、IRが本来、海外からの観光客誘致を目的としていることの表れでもあります。

(入場規制や依存症対策の詳しい仕組みについては、今後、個別の記事で掘り下げる予定です。)

日本のIRの施設とカジノの中身

大阪IRが、具体的にどんな施設になるのかも見ておきましょう。

大阪IRは、総延床面積が**約85万㎡**にもおよぶ巨大な複合施設として計画されています。カジノのほか、宿泊施設(ホテル)、国際会議場、展示施設、エンターテインメント施設、飲食・物販施設などで構成されます。前述の通り、カジノはこのうちの3%以内にすぎず、施設全体が巨大になるのは、むしろこの「カジノは3%以内」という制限の裏返しでもあります。

カジノで遊べるゲームについては、カジノ管理委員会が、認められるゲームの種目を定めています。公表されている施行規則によれば、バカラ、ブラックジャック(トゥエンティワン)、ポーカー、クラップス、シックボーといったテーブルゲームと、スロットマシンなどの電子ゲーム機が認められています。世界の主要なカジノで遊べる定番のゲームは、日本のIRでも一通り楽しめる見込みです。

(各ゲームの具体的なルールや遊び方は、それぞれのゲーム解説記事をご覧ください。)

なお、カジノ内では現金ではなく「チップ」を使って遊びます。日本のIRでは、法律(IR整備法第175条)により、チップを他人に譲り渡したり、カジノの区画外に持ち出したりすることは禁止されています。これはマネーロンダリング防止のための措置です。(チップの両替の仕組みについては、「カジノでの両替方法」の記事で解説しています。)

日本のIRをめぐる議論

最後に、日本のIRには、期待と懸念の両方があることにも触れておきます。物事を多面的に捉えるために、知っておくとよいでしょう。

期待される面としては、海外からの観光客増加による経済効果、地域の雇用創出、税収の確保、そして国際会議や展示会を誘致できる国際競争力の向上などが挙げられます。

一方で、懸念される面もあります。最も大きいのが、ギャンブル依存症の増加への懸念です。ほかにも、治安への影響や、建設地である夢洲の地盤対策の費用などが議論されてきました。

こうした懸念、特に依存症への対策として、日本のIRでは法律によって何重もの措置が設けられています。前述の入場料・回数制限・本人確認に加えて、本人や家族の申告でカジノへの入場を制限できる「自己排除・家族排除制度」、カジノ内でのATM設置やクレジットカード利用の制限などです。これらは、海外のカジノと比べても厳しい部類の規制とされています。

(IRのメリット・デメリットや、依存症対策の詳細については、今後、個別の記事で掘り下げる予定です。)

まとめ

日本のカジノは、「IR(統合型リゾート)」という複合施設の一部として整備されます。賭博が原則禁止の日本において、IR整備法という特別な法律と、カジノ管理委員会による厳格な規制のもとで、例外的に認められたものです。

現時点で決定しているのは大阪・夢洲のIRのみで、2030年秋ごろの開業を目指して建設が進んでいます。日本人も入場できますが、入場料6,000円、回数制限(7日で3回・28日で10回)、本人確認といった、依存症対策のための独自ルールがあります。施設では、バカラやブラックジャックなど、世界の主要なカジノゲームが楽しめる見込みです。

この記事を入口に、気になるテーマがあれば、それぞれの詳しい記事へ進んでみてください。「カジノと統合型リゾートの違い」「各ゲームの遊び方」「カジノでの両替方法」など、関連する解説を用意しています。なお、IRの計画は今後も変わる可能性があるため、最新の正確な情報は、行政や運営事業者の公式発表をあわせてご確認ください。